Massive MIMOの実験試験局免許取得について
Wireless City Planning 株式会社
ソフトバンクグループのWireless City Planning株式会社(以下「WCP」)は、Massive MIMOを用いた通信システムの実験試験局免許を、2015年11月24日に取得しました。AXGP(TD-LTE互換)方式で、本日より、芝大門エリア(東京都港区)および八丁堀エリア(東京都中央区)において実証実験を行います。
Massive MIMOは基地局のアンテナの数を従来よりも多く増やすことで、通信容量を拡大することができる技術で、第5世代移動通信システムにおいても主要な技術のひとつとして注目されています。今回実験するMassive MIMOでは、従来の16~32倍の数のアンテナを用いて、各端末に向けた信号を、高い精度で空間的に分離※することで、同一周波数を同時に複数の端末に割り当てます。これにより、非常に高い周波数利用効率を実現することができるようになり、実行速度を格段に上げることが可能となります。また、端末から送信される際の、上り信号の情報(波形の歪みなど)を下り信号に直接反映することで、端末が受信する際の電波を補正することができる技術も実装される予定で、さらに効率的に周波数を利用することができるようになります。
■実験概要
1.実験期間 | 2015年11月24日~2016年10月31日 |
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2.実験エリア | 芝大門エリア(東京都港区)および八丁堀エリア(東京都中央区) |
3.実験内容 | AXGP(TD-LTE互換)方式でのMassive MIMO基地局を用いた通信容量拡大の検証 |
4.実験用基地局数 | 2.5GHz帯Massive MIMO基地局(実験試験局)4局 |
WCPはこの実験を通じ、実証実験で取得したノウハウや測定データを活用することで、商用サービスに向けた準備をさらに進めるとともに、安定した高速通信と周波数帯の有効活用を実現し、ワイヤレスブロードバンドにおける通信技術の向上および電波資源の有効利用に貢献していきます。
[注]
- 空間分割多重アクセス(SDMA)。各端末の信号を空間的に分離し、同時に複数の通信を混信させずに実現する方法。


Massive MIMO基地局